決断力に欠ける福田首相・・・?
どうにもこうにも、何でも先送りしたり、他人に任せたり・・・。決断力・指導力不足のような福田首相のような気がします。
肝炎…独法… 「指導力なし」福田首相はダブルパンチ
2007.12.20 19:56
このニュースのトピックス:福田内閣
記者のインタビューに答える福田康夫・首相 =20日午後6時54分、首相官邸
薬害C型肝炎訴訟の和解交渉の決裂と独立行政法人改革の後退-。福田康夫首相は20日、「政治決断」を求められた2つの局面で、目に見える形で指導力を示すことはなかった。「官僚寄り」「民に冷たい」との印象が強まり、政府の対応には与党内からも不満が出始めている。年金統合問題などを受けて内閣支持率が急落する中、福田政権は一層の逆風にさらされようとしている。
「公務員いじめをしているような世の中ではいけない」
首相は20日、地元・群馬県の上毛新聞の新春用インタビューでこう述べ、官僚擁護の立場を強くにじませた。
首相はもともと、父の故赳夫元首相が旧大蔵官僚出身とあって「官僚寄り」と指摘されてきたが、この日決断を迫られていた「肝炎」と「独法」への対応が「官僚に徹頭徹尾、踊らされてきた首相の姿を露呈させた」(自民党中堅)といえる。
首相は20日夜、肝炎訴訟の和解協議で原告側が政府の修正案を拒否したことを受け「再び薬害が発生したことに被害者に申し訳ない。これで私どもは終わるとは思っていない。大阪高裁の判断であれば柔軟に対応する。原告にも応じてほしい」と記者団に語った。
和解協議への対応について首相は、「原理原則」に固執する厚生労働省の言い分に耳を貸し、最後は舛添要一厚労相にゲタを預けた。原告団が求めている「司法の判断」を超える政治決断には至らず、首相の口からは「私の判断」という言葉は一度も聞かれなかった。
町村信孝官房長官は20日の記者会見で「(政府案は)三権分立の観点から司法の判断を尊重し、骨子案と矛盾しないギリギリの案だ」と強調したが、「決断できぬ首相」の姿勢は自民、公明両党にきしみも生んだ。
自民党の伊吹文明幹事長は記者団に「国が被告として和解案に(金額を)プラスした方がいいと政治決断をした。司法のルールにのっとってやらないといけない」と述べたが、公明党の北側一雄幹事長は「長年苦しんできた感染者の気持ちに十分応えられていないのは事実だ」と政府の対応を暗に批判した。複数の公明党幹部からは「官僚の言いなりになって原告に冷たい」「首相は支持率を上げる絶好機を逃した」などとの強い反発が噴出した。
一方、独法改革でも首相は渡辺喜美行政改革担当相に対応を任せ続けてきた。一部の独法は廃止・統合されるが、独法改革に突っ走る渡辺氏と、独法維持を譲らない関係閣僚との対立ばかりが注目された。結局、独法見直しに抵抗する官僚の意をくんで、都市再生機構など2法人の扱いが先送りされる見通しが強まっている。
官僚の意見ばかりを重視して、薬害肝炎問題に政治的決断をせず、舛添氏に任せ、
独立行政性法人改革では、渡辺喜美氏に任せ続け消えた年金問題などはどうするつもりなんでしょうか・・・。
前政権の年金問題対応、「誤解招いた」と首相陳謝
福田首相は17日夕、年金記録問題に関する安倍政権当時の政府・与党の説明ぶりについて、「(自民)党の(参院選の)ビラなどで誤解を招く表現があったのは事実で、おわびしなければいけない」と述べ、改めて陳謝した。
首相官邸で記者団の質問に答えた。
年金記録問題を巡っては、今年6月作成の自民党参院選ビラで、「政府・与党は今後1年間ですべての統合を完了させる」と約束していたほか、7月の政府・与党合意では「最後の1人までチェックして年金を支払う」と明記していた。
首相はさらに、「来年3月までに(該当者不明の記録の)名寄せなどの作業をしていく。一つ一つ根気よくやることで、年金制度をきちんと建て直さないといけない」と述べ、対応に全力を挙げる姿勢を強調した。
根気よくやるのはいいのですが、
年金記録8億5千万件、照合に1500億円…社保庁試算
年金記録漏れ問題への対応策として、政府・与党が7月に発表した「コンピューター上の記録と台帳等の突き合わせ作業」について、社会保険庁が約1500億円の経費が必要と試算していることが20日、わかった。
社保庁のずさんな記録管理の後始末に、膨大な費用が必要なことが判明した。
社保庁はこの試算結果を、与党の厚生労働関係の国会議員に個別に説明している。
政府・与党は、該当者不明の約5000万件の年金記録が発生した原因の一つに台帳からの転記ミスがあるとして、7月の合意文書に「被保険者名簿とコンピューターの記録とを突き合わせて確認する」ことを明記した。確認の期限は特に切っていない。
社保庁のコンピューター上の記録は約3億件。年金記録の台帳は、市町村に約1億3500万件、社会保険事務所などに約7億1100万件保管され、一部マイクロフィルム化されている。照合は民間に委託し、台帳と食い違いがないかを手作業で調べる。費用の大半は人件費だという。
らしいですが、首相は一体どうするつもりなんでしょうか・・・? かなりの抵抗があるでしょうが、ずさんな記録管理をしていた当時の社会保険庁の職員や責任者の年金からでも、全額、若しくは一部でも費用を徴収すべきではないでしょうか。また、当時の社会保険庁の長官にも責任があるのですから、費用を負担させるべきです。そうすれば、現在の財政を少しでも圧迫しないでしょうし、公僕である公務員は責任を持って仕事をしなければならない。との指導にもなるでしょう!。(公務員が不祥事やミスを隠蔽したり、責任回避して、国などに責任を取らせるのはおかしいです!。) 「公務員いじめをしているような世の中ではいけない」と首相は発言しているようですが、今まで、どれくらい公務員による不祥事や着服・不正があったと思っているのでしょうか?
第一、公務員のモートーは、『休まず、遅れず、働かず』と公務員であった自分の父が申していました・・・。
それと、人間の心がないような職員のために生活保護を打ち切られ孤独死してしまった北九州市の事件など知っているのでしょうか・・・。それに、未だに、数値合わせのために生活保護の申請に来た方々をまるで追い返すようにして、申請書すら渡さない職員などいるというのに・・・。
しかし、首相は、独立行政法人改革でも、
独法改革 福田首相はまたも「結論先送り」
2007.12.20 20:21
このニュースのトピックス:福田内閣
福田康夫首相は20日、冬柴鉄三国土交通相、渡辺喜美行革担当相とそれぞれ首相官邸で会談し、政府がとりまとめている独立行政法人(独法)の整理合理化計画のうち「首相決断」に委ねられた国交省所管の都市再生機構と住宅金融支援機構の扱いを協議した。しかし、2法人の当面の独法形態維持を主張する冬柴氏と、民営化を譲らない渡辺氏との溝は埋まらず、首相裁定の結論は21日に持ち越された。
2法人については町村信孝官房長官と冬柴氏が19日の会談で一致した組織形態見直しの3年先送りで落ち着く見通しが強まっている。政府は24日に計画を閣議決定する方針。
首相は20日夜、2法人の扱いについて「だいたいまとまったが、もう少し確認する必要があるので検討中だ」と説明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。首相は19日、結論を20日出すと表明していたが、1日先送りすることになった。
政府関係者は「首相の立場は冬柴氏に限りなく近い」と指摘しており、2法人の組織形態見直しが3年先送りで決着する公算が大きくなっている。最終的に「3年先送り」との結論に達すれば、渡辺氏が主張する改革案からの後退を意味し、福田内閣での独法改革は「単なる数合わせ」との批判が出てくるのは必至だ。
国民ナメる官僚の「譲歩」案とは 独立行政法人改革
2007/12/20
またまた独立行政法人改革だ。きのうも伝えた天王山、官房長官折衝の結末はーー。

スパモニが最大の目玉としていた都市再生機構(UR)でやっぱり一波乱あった。「組織改革を検討し、3年後に結論」という町村官房長官の裁定案を、冬柴国交相は同意したが、渡辺行革担当相は「5年後の民営化」を主張して拒否。首相の判断を求めたのだ。
しかも冬柴氏は、折衝に渡辺氏が同席するのを拒んだとのことで、渡辺氏は「さすがに町村さんもそれは認めず、同席した」というのだが、「決着ついてません。延長戦です」ときっぱり。にしても、冬柴大臣は何考えてるのか。
ずっとこれを追及してきた玉川徹は、「3年間何を考えるというのか。しかし、この先送りですら、相当な譲歩らしいですよ」という。
「総理がはっきりいわないと、自民党のダメージはどんどん大きくなる」(伊集院光)
「冬柴さんが、なんでURを守るのか」(小木逸平)
玉川はさらに「官僚のシナリオが官邸にあがっていた。首相の判断で、この内閣がどっちを向いているかがはっきりする」という。
鳥越俊太郎も「年金、C型肝炎訴訟などと合わせて、ひとつづつパンチが効いて、支持率がじりじりと下がっている。自覚してほしい」と。
と、これを伝えている最中の9時半から、きょうが回答期限のC型肝炎訴訟の和解案についての舛添厚労相の緊急会見が始まった。これまた、政府の向きが問われる問題だが、スパモニには、CMが詰まっていて苦しい時間帯だ。大臣発表の内容は、和解金の支出を8億円から30億円にふやして事実上患者全員救済になる案を提案したという骨組みだけは伝えられた。
鳥越が「政治判断ではないから、(原告は)拒否するかな?」と首を傾げたところで、時間切れ。ニュースはやはり、緊張感があった方がいい。
官房長官の会見では、
【官房長官会見(1)】「何らかの対応考えて」(20日午後)
【奥田碩氏を内閣特別顧問に任命】
「政府は温暖化問題につきまして、京都議定書の目標達成に向けた取り組みを強化、さらにはポスト京都議定書、この枠組み構築のために国際的議論へ積極的に貢献をしていこうと取り組んでいるところであります。こうした温暖化問題への政府の取り組みをさらに強化するために、このたび、奥田碩トヨタ自動車取締役相談役、社団法人日本経済団体連合会名誉会長を内閣特別顧問に12月26日付で発令することにいたしました。今後、温暖化対策の企画・立案、内外との対話などに参画をしていただくことといたしております。あわせて、奥田氏には内閣特別顧問として、内外の経済情勢の推移に応じた経済政策全般について、総理にご助言をいただくこともお願いをすることとしております」
【薬害肝炎】
--C型肝炎の訴訟の関係だが、今日、国が示した和解案について、原告側は被害者全員に対して責任を認めるものではないと。東京地裁の判決の範囲に限るという原則にとらわれたもので、意味付けが曖昧(あいまい)なものに金を出すことで問題の終結を図るもので到底受け入れられないと言って拒否をしたが、これについての受け止めは
「今日、大阪高裁に私どもが示した案というものは、何度も申し上げておりますけれども、これはまさに三権分立という観点から、司法の判断を行政府として尊重すると。大阪高裁の和解骨子案と矛盾することなく、同時に原告のみなさま方の思いも受けとめ、また、薬害というものを発生させてしまったおわびの気持ちも込めて、できるだけ、この関係する方々を救済したいという思いで舛添大臣が中心になって、昨夜までかかって調整を行ってまとめたものでございます。そうしたギリギリの案であるということなんですけれども、原告団が受け入れられないというご意向を示されたということは、大変残念な思いであります。感染者、患者の方々の長きにわたるご労苦というものを考えましたとき、一刻も早く解決したいと、こういう思いで私どもは提案をしたわけで、この思いは今も変わっていないわけでございます。大阪高裁は先般の和解案を出すときをはじめとして、従来、年内には合意成立に向けて調整作業にあたるということを触れておられますので、今後はその調整作業に誠意をもって私どもは対応していきたいと考えております。また、今、ちょうど予算編成中ではございますけれども、今後、医療費助成などの総合的な肝炎対策、これを来年度予算の中で具体化をしていく。そして、すべての感染者、患者の方々を対象にして実行していくというプランでございますが、これも来年度予算で数字を入れて具体化をして対応していきたいと考えているところであります。私どもとしては受け入れられなかったことは大変残念な思いでございます。しかし、やっぱり、原告、被告双方が司法当局に和解を、調整を原告が申し立てた。それで調整に乗り出した。それに対して、この案でなければ受け入れられないとおっしゃるのは、私は少々、司法の立場というものをどういうふうにお考えなのかなあというふうに思わざるを得ないわけでありまして、ぜひ大阪高裁の今後の対応というものに政府はさっき申し上げたように誠実に対応していくつもりでございますので、原告のみなさま方も、ただ簡単にだめですと言うだけではなくて、何らかの対応というものをお考えいただけないものかと思っております」
--今回の国側の回答について、税金の使い方という観点でおうかがいしたいが、国が法的な責任を負わない部分についても和解金を支払うという内容なのか
「これは大阪高裁から示された案を基本的に私どもは受け入れ、それで本当に十分な救済ができるかというところを検討していったわけであります。でありますから、私どもはさっき申し上げたように司法の判断を重視したということでございますから、そういう意味で、トータルでご判断をいただきたいと思っております」
--長官は午前中の会見で、事実上の全員救済ができると発言したが、これまで厚労省は一律救済すれば数兆円かかるというアナウンスをしていた。結果的には政府案で全員救済できるとなると、額に大幅な差があると思うが、厚労省側の説明にミスリードする部分はなかったか
「これは原告側が原告総数を1000人程度というふうに述べられたんですね。この交渉の過程の中で。これははっきりと彼らが出されたメモというか、文書の中にもそれは載せてあります。本当にそうなんだろうかということをわれわれも検討しましたが、かなり遅い段階で原告側が1000人程度であろうということを言われたものですから、そのことを考慮いたしまして、今回のこういう判断にいたったということであります」
--そうすると厚労省側が数兆円かかるかもしれないと説明してきたことは問題ないということか
「それは、肝炎の患者というものの数というのは100万人とか200万人とかあるわけですね。その原因にはいろいろあるし、B型もあればC型もあると。それをどこまでどういうふうに把握するかという問題でありまして、別に捏造(ねつぞう)したわけでもなんでもない。いろいろな、それは考え方、計算の仕方というのがあるんだろうなと思います。私は数兆円なるものの根拠を別に聞いたわけではありません」
--長官の話をうかがっていると、原告側が一律救済の旗を降ろさない限り、難しい状況ではないかとうかがえるが、認識はいかがか
「一律という意味が私には必ずしもよく理解ができないわけであります。特に司法の判断、和解案というものが出されているわけでありましょう。それとまったくかけ離れた、今まで解決というものは一度としてなされたことはないわけであります。しばしばハンセン病は政治判断だったという言われ方をします。しかし、これは熊本地裁の判決を多分、政府は受け入れないだろうと大方の人は思っていたかもしれないが、それを受け入れた。やはり、政府、行政の立場に立つものとしては、やはり司法の判断というものは三権分立の中で大変重いものであります。それをまったく無視した判断、あるいは行動というものを政府はとったわけではありません。それが法治国家というもんだと私は思っております」
--ハンセン病の時は小泉総理自ら公表したが、今回は厚生労働大臣が公表する形になった。原告は福田総理の政治決断を求めていたが、厚労省での記者会見になった理由は
「特にありません」
--国の公的責任の部分について改めておうかがいします。国が法的責任を負わない部分についても和解金を支払ったということになると、同種の事案に与える影響は非常に大きく、たとえば、和解金は国民が納める税金から支払われるということを考えると、納税者の理解が得られるかどうかという問題も出てくると思うが。
「それは和解金ではない、基金という形の支払いを止めるべきだというご意見なんですか?ちょっと、質問の趣旨を教えてください」
--法的責任について、あるから基金を支払うかどうかという質問だ
「いや、ですから、そういう基金による支払いというのは納税者の理解が得られないでしょうと、こういうご質問ですね。ご意見ですね」
--法的責任がないのに支払うということは納税者の理解が得られない可能性があるので、ここについては。
「だから、問題だとおっしゃっているんですね。ちょっと、お立場なり、考えをはっきりした上で聞いてください」
--いや、そこは長官のお考えを
「いやいや。あなたが聞いているんだから、まず、あなたのご意見を教えてください」
--そこは、国が法的責任を認めた上で支払うのであれば、論理的につながるので、納税者の理解は得やすいと思うが、法的責任がないのに支払うとなると、同種の事案でも責任がないのに支払うのかということにもなってくる
「それは直接、間接、被害者の方々を、救済をしたいということで、司法当局もそう判断をされた。大阪高裁もそう判断されたわけでしょ。政府もそういう判断だということです」
【官房長官会見(2)】「独法改革きょう中に決着」(20日午後)
2007.12.20 18:33
このニュースのトピックス:福田内閣
【世論調査】
--昨日と今日実施した朝日新聞の緊急世論調査で、速報値で内閣支持率が31%、前回より13ポイントダウンです。不支持率が52%。前回36%なので大幅に上がっている。受け止めは。政党支持率も自民党が26%で民主党が27%。初めて民主党が上になった。率直な受け止めは
「毎回同じことを申し上げて恐縮ですが、数字について一喜一憂はいたしません。ただ、そこに込められている国民の気持ち、お考えというものには常に謙虚に耳を傾けていきたいと思っております」
--インド洋の自衛隊について、このところ活動継続は必要というのが上回る傾向があったが、今回の調査では継続必要が36%、必要ではないが51%。はっきり必要ではないが上回った。衆院再議決についても、これまでは妥当のほうが多かったが、今回は妥当が33%、妥当ではないが47%。一連の年金記録問題等が、テロとの戦いの法案ににも影響しているようにも思うが、どのように理解しているか
「まあ、会社によって、いろいろな調査結果が出ているということだろうと思います」
--特に法案の成立に対する姿勢に変わりはないか
「まったく変わりありません」
【独立行政法人改革】
--独法改革について昨日、総理が今日決断したいとおっしゃられた。都市再生機構と住宅金融支援機構について。今日、冬柴大臣と会って、先ほど渡辺大臣とも会っているようだが、これは今日中に総理が決断されるという見通しか
「冬柴大臣対渡辺大臣の結果は私はまだ聞いておりませんが、最終的には調整を総理自らがやっていただいているという状況でございます」
--明日、自民党の方でも政調審議会等があるが、それを考えると今日か
「まあ、そうですね。はい。今日中に案を固めて、党の方にお諮りをするというプロセスに入っていくわけであります。政府としては最終的に24日に決定したいということです」
--長官として、こういう形での決着というのは。
「今ごろかな。話し合っておられるんじゃないでしょうか」
何とも頼りない内閣・・・。
◆ 朝ズバッ!
3年後の政権与党は自民党か
2007/12/20
司会のみのが「行革、行革、行革、どうも障害が横たわり過ぎている気がします」と、声を荒げながら、閣内対立が浮き彫りになった独立行政法人の整理合理化計画を取り上げた。

昨日(19日)、焦点になっている国交省所管の都市再生機構と住宅金融支援機構の二つの独立法人について調整役の町村官房長官が「3年後の組織見直し」を提案した。
冬柴国交相はこれに同意したものの、「5年後にそれぞれ株式会社と持ち株会社にする」よう主張していた渡辺行革担当相は「3年先送りはあまりにも間延びした話。ハッキリお断りしました」。
確かに間延びしている。3年たったらまたやり直そうという従来手法の先送り策は、もはや通用しないのでは?こんなリーダーシップの無さでは3年後、自民党政権が存続している保証はないのだから。
これに、みのが「思いっきり行革をやらなかったら、日本はどうなるかよーく考えて行動してもらいたいんですがね」と怒る。
ジャーナリストの木元教子も「大臣(冬柴国交相のことか)になると、その省庁の人になっちゃう」と、大臣のだらしなさに辟易といったふう。
毎年20億円赤字の価値「アル」 独立行政法人の「お気楽」
2007/12/ 5
102ある独立行政法人の改革が、渡辺行革担当相を中心にようやく動き出した。役人の天下り先に作ったのでは?と思いたくなるような、「無用の長物」独立行政法人を整理合理化する話し合いが、3日からはじまった。

『朝ズバッ!』は、その無用な長物の象徴として、職業体験施設『私のしごと館』(京都府精華町)にスポットを当てた。
この施設を管理運営しているのが、独立行政法人『雇用・能力開発機構』。延々と給料から天引きされる"やらずボッタくり"の仕組みの雇用保険。その保険料を財源に、総工費581億円で4年前に完成したのだが、毎年20億円の赤字タレ流し。
館内をみると、スーツ姿のサラリーマン、制服を着用した航空会社の客室乗務員など、なんと79体の人形が展示されている。今どきの高校生の職業意識を人形で啓発?バカな役人の発想と言いたくなるが、人形の制作費が一体356万円、合計2億8000万円、バカでは済まされない。
このほか、『模擬TVスタジオ』2億7800万円、宇宙開発体験コーナーの『宇宙船』5億8000万円...。就職先が宇宙船?"現実離れ"していて、実際的とはいえない。それに6億円弱のムダ遣い。
番組は、当時の厚労省の担当局長で現・女性国会議員にインタビューした。同議員は「当時は予算が潤沢で、昔の感覚で無理なく出せるという時代に考えた。あんな多額なおカネをかけるのかと疑問でしたがネ」という。
しかし、バカ言っちゃいけない。バブル時代のことじゃあるまいし、完成したのは4年前だ。計画期間を含めても財政再建は至上命題、、「失われた10年」からの脱出に四苦八苦していた真っ只中、予算が潤沢のはずがない。せめて、疑問に思ったら事業の見直しぐらいすべきだったろう。
やはりインタビューした施設の現館長となると、もっとひどい。「教育施設なので赤字は当然です。美術館だってそうじゃないですか。民間にお願いしてもやるべきです」。どうでもいい人形並べて、美術館の芸術品と一緒にされたらたまらない。
この『私のしごと館』は、渡辺行革担当相と舛添厚労相の話し合いで「廃止」の方向が決まった。しかし、渡辺行革担当相が提示した3法人の民営化案を全面拒否する国土交通省のような役所も。
司会のみのは「国土交通省の冬柴さんは全面拒否! なんだこれは、道路財源はどうなんだ。具体的にじっくり検討してみようと思います」と、ズバッ。無用なものは、皆でズバッと斬り捨てましょう。
舛添大臣に「突出するな」と官僚が指示?
2007/12/ 7
“お宝、埋蔵金”に匹敵する独立行政法人の整理・合理化計画。この計画策定のため、所管する各省庁の大臣に直談判し、苦戦中の渡辺行革担当相が『朝ズバッ!』に生出演した。

今週3日から始まった直談判、6省を回って廃止や統合、民営化を訴えたが、拒否やらゼロ回答やらでまさに「孤軍奮闘」「孤立無援」。それどころか身内から横ヤリが入る始末だ。
昨日(6日)、厚労省所管の「雇用・能力開発機構」の職業訓練施設を視察中に、町村官房長官から渡辺氏の携帯電話に一本の電話が。どうやら農水省所管の研究機関の統合などを拒否した若林農水相を「役人そのもの」と批判したことで、「そういうことをいうな」と叱責されたらしい。
その抵抗のすごさに、元宮城県知事の浅野史郎氏は「死守しますよ。各省庁にヒヤリングしても、『必要』という答えが帰ってくるのは当然、役人の本能です」という。
その“本能”の一部を渡辺氏が暴露した。「舛添厚労相と話をしていたら、厚労省の役人から『突出しないようにして下さい』といわれたそうです。各役所が、例えば“1つしか出さないようにしょう”とか、談合している可能性がある」と指摘した。
福田首相は「どういう方法を取ろうと成果を上げてほしい。成果を上げてくれなきゃ困るんだな~」と言い、渡辺氏も「首相は大変やる気がありますよ。私はハッパをかけられてやっていますから」と、絆の強さを強調するのだが...。町村官房長官の小姑的な叱責を見ると、政府部内で早くも断層か地割れ現象が?と疑いたくなる。
みのが「これは絶対やりたいという独法に、パッ、パッと印をつけてくけれと言ったらまずいですかね!」と注文。これに渡辺氏は102の独法が列記されたボードを指し、「日本万国博覧会記念機構。公園になっている大阪万博の跡地管理ですよ。こんなの大阪府に移管すればいい」。
さらに「それと日本スポーツ振興センターのtotoね。これも助成金ひねり出すためにサッカーくじを始めた。ところが、264億円の大穴をあけて、助成金どころでない」。
102の独法の人件費、事業費に年間3兆5235億円(2007年度)の税金が使われ、各省庁から天下った201人(06年10月現在)の官僚が独法の役員になっているという」。渡辺執刀医のもとで、いま外科手術をしないと、根絶できない。
しかし、薬害肝炎問題、消えた年金問題、独立行政法人改革、テロ特措法も重要なんですが、ワーキングプア等の格差社会や、医療・福祉問題も大切ではないでしょうか・・・。
他には、
奈良「産科たらい回し」報道 マスコミの異常「医療バッシング」
2007/9/ 3
奈良県で、38歳の妊婦が救急車で運ばれたが、受け入れる病院がなかなか見つからず「死産」となった事件で、マスコミはこぞって「たらい回し」「態勢の不備」と批判した。一部では、「通報場所から近い病院に空きベッドがあったのに、受け入れを断っていた」との報道も飛び出し、「医療バッシング」の様相も呈してきている。これを受けて、3度の受け入れ要請があった奈良県立医大病院は、2007年8月31日、経緯を説明する文書を発表した。分単位で当直者2名の行動が記されており、現場の過酷さと受け入れが困難な実態が伝わってくる内容だ。
当直医2名は、1睡もしないまま翌日の業務についた
奈良県立医大病院では、「説明文書」を発表した
事件では、8月29日午前2時45分頃、妊娠7ヶ月の女性がスーパーで体調を崩し救急車で搬送されたが、救急隊は12の病院に述べ16回の要請を余儀なくされ、女性は午前5時頃に死産した、というものだ。各病院が受け入れを断ったことに非難が集まった。特に、通報現場から800mしか離れておらず、最初に受け入れ要請があった奈良県立医大付属病院については「空きベッドがあったのに、受け入れを断っていた」などと報じられ、批判が高まっていた。
こんな状況を受け、同病院では、8月31日になって院長名で「今般の妊婦救急搬送事案について」と題した文章を発表。「誠に遺憾と感じている」としながら、「過酷な勤務状況だった」と現場の状況に理解を求める内容だ。資料は産婦人科の当直医2名の対応を、8月28日19時6分から29日8時半にかけて記したもので、当直日誌記録から書き起こしたものだ。同資料中には、患者Aから患者Fまで、患者6人が登場。これだけでも負担の大きさが伺えるが、患者AからFのうち、1人が出産(患者D)、1人が緊急帝王切開で出産している(患者B)。また別の患者は、破水して緊急入院し産科病棟は満床となったが(患者E)、さらに別の患者について「分娩後に大量出血した患者がいる」との受け入れ要請が開業医から寄せられ、他病棟と交渉して収容、対応に追われてもいる(患者F)。こんな状況下で、産婦人科には救急隊から2度にわたって受け入れ要請があったが、
「お産の診察中で、後にして欲しい」
「今、医師が、急患搬送を希望している他医療機関医師と話しをしているので、後で電話をして欲しい」(事務担当者が応対)
といった理由で断らざるを得なかった、ということのようだ。この当直医2名は、1睡もしないまま、翌日の業務についたという。
なお、同病院によると、前述2回以外にも「高度救命救急センター」にも1回受け入れ要請があったが、「(本人の)命にかかわる状況ではないので対象外」だとして、受け入れを断っている。
お産をするために「抽選」が必要!!
事情は他の病院でも同様で、やはり、この女性の受け入れ要請を断った大阪市の千船(ちぶね)病院も、朝日新聞の「アエラ」(07年9月10日号)に対して、
「当日は午前2時から5時にかけて4件の分娩があり、そのうち3件は帝王切開で、待機中の妊婦も2人いました、当直医と応援の産婦人科医の2人でそれに対応していました。産婦人科の常勤医は7人いますが、つねに出勤態勢を取らせるのは心身ともにプレッシャーが大きすぎます」
と、奈良県立医大病院なみに多忙だった様子を明かしている。さらに同誌では、患者側の行動について
「高度な医療が必要な3次救急の病院に、歩いてこられる程度の風邪を引いた程度の患者が来たり、救急車をタクシー代わりに使ったり」
と言及、患者側のモラル低下が医療環境を悪化させ、結果的に自分の首を絞めることになっている現状を示唆している。
J-CASTニュースが8月31日に配信した記事「なぜ産科医は患者を断るのか 出産費用踏み倒しに『置き去り』」のコメント欄でも、これに通じる傾向の議論が展開されている。
朝日新聞の神奈川県版では、「赤ちゃん」というタイトルの、お産についての連載を精力的に行い、緊急時で無くてもお産の環境は厳しいことを報じている。07年5月19日には、横須賀市では常勤医が減少した結果、お産を扱わない病院が相次いでいる実態を紹介。また、松田町の病院では、医師が足らなくなった結果、お産をするために「抽選」が必要で、選にもれた妊婦は他の場所でお産場所を探さないといけない、という事態になっているという。
横須賀市のケースでは、横浜に妊婦が「流入」するケースが相次いでいるといい、その結果、横浜で妊婦が「あふれる」危険性も指摘されている。
いずれの問題も「産科医がどうすれば増えるか」という処方箋がない限りは、解決への糸口は見えてこない。
この事件の影響でしょうか・・・、
マスコミの魔女狩報道 医療崩壊を招いた?
2007/5/16
産婦人科医や小児科医だけでなく病院から勤務医が次々と去って行く。こうした医療現場の厳しい実態は「医療崩壊」と呼ばれ、関心が高まっている。激務で休みが取れない、といった問題だけでなく、医療ミスを巡っての「マスコミの魔女狩報道」が原因のひとつだ、という指摘も出てきた。マスコミの報道姿勢を問う本が出版され、医師の専用のブログはマスコミを呪う発言で満ち溢れている。
「感情的論理に基づく報道だった」

医師の小松秀樹さんが報道のあり方も分析した「医療崩壊」と「慈恵医大青戸病院事件」
「(医師逮捕の)報道は論理的でなく悪意に満ちている」
虎の門病院泌尿器科の小松秀樹部長(57)は2006年春に出版した「医療崩壊」の中でこう指摘している。厚い本ながら3万6,000部以上も売れている。この本は様々な角度から医療の危機的状況を分析している。
腹腔鏡下手術を受けた前立腺がん患者(当時60)が死亡したとして、03年9月に東京慈恵会医科大付属青戸病院の医師3人が逮捕された事件などを例に、医療ミスの際の報道を分析している。「細部にわたり事実かどうかを検証する誠実さがあったのか」と疑問を投げかけている。
医療過誤を巡ってはその後、福島県立大野病院で帝王切開手術を受けた女性が手術室で死亡した件で2006年2月、執刀医が業務上過失致死などの容疑で逮捕された。
小松部長は、前著「慈恵医大青戸病院事件」でも詳しく青戸病院事件の報道の論理を分析している。J-CASTニュースの取材に対し、小松部長は「断片的な議論は誤解を招く恐れがある」と慎重な姿勢を示した上で、青戸病院の医師逮捕事件を中心とする報道問題について以下のように答えた。
――何をしたから罪になったのかの線引きがあいまいなまま、「大衆メディア道徳」とでもいうべき現場の実情とかけ離れた感情的論理に基づいて、結果が悪ければ医者がけしからんという報道だった印象だ。医療は本質的に不確実であり、ベテラン医師の手術でも患者が死に至ることはある。青戸病院では、準備にそれなりの努力がなされていた。普通に輸血が行われていれば患者が死亡することはなかった。患者への説明内容が文書として残されていなかったことも、説明不足として、医師側の「けしからん」点の柱の一つと報道されたが、逮捕は当然とでもいうような文脈で使って良かったのか。輸血が遅れたことは、確かに非難されるべきことだ。これについては、民事上訴えられても仕方ないと思う。しかし、輸血は執刀医の問題ではない。当時、青戸病院では輸血システムに明らかな問題があった。また、術中の輸血は麻酔医が管理すべきものである。執刀医が逮捕されて当然とはならないはずだ。民事に比べ刑事責任を追及されるのは、医師にとって格段に重みが違うのに、報道にその差を真剣に考える姿勢はないと感じた。
こうした報道の姿勢が医師たちを萎縮させ、危険を伴う治療を避け、難しい手術が回ってくる科や大規模病院を敬遠する「立ち去り型サボタージュ」と言える流れを加速させている。事件の件数は多くないが、衝撃の度合いは大きい。警察や検察、裁判所の考え方にも報道が影響を強く与えているとも感じている。
ネット上で、小松部長の著書「医療崩壊」についてのいくつかの書評欄を見ると「たぶん勤務医の全員が納得の一冊です」という声も、「医者側の勝手な論理だ」という批判もある。小松部長は「賛成も反対も両方の意見を歓迎しています」。検察関係者らと意見交換する機会も多いが、好意的な意見が多いそうだ。
「たぶん勤務医の全員が納得の一冊です」
マスコミ報道に対する批判は小松部長だけではない。
「魔女狩報道のオンパレード」、「マスコミの取材能力を呪う」。こんな文句が並ぶのは、医師だけの会員による「ドクターズブログβ」。会員たちの様々なブログが紹介されている。青戸病院の医師逮捕問題を引き合いにだした「30代の内科医」は、マスコミ報道に対して2006年夏にこう書いている。「医者=悪、(手術ミスの)原因=経験不足、のようにわかってもいないのにそういう構図に当てはめるのはおかしいんじゃないか」
「手術のベテランも最初からベテランだった人はいません。(略)ちょっと無責任すぎませんかね 言ってる事が」
医師が業務上過失致死罪に問われた裁判は、2007年6月の東京高裁だけで青戸病院関係を含め3事件の公判がある。医師や病院が損害賠償を求められる民事訴訟も、最高裁判所の資料で2003年度から最新数字の05年度まで毎年新たに約1,000件の訴訟が起こされている。医師を刑事事件で糾弾するのではなく、医療ミスの原因解明と予防を重視する枠組を作る取り組みや、医療事故被害者の救済を目指す制度などの研究が国レベルで始まっている。
こんな事件も・・・、
「患者置き去り」の深刻背景 医療費不払い、退院拒否に暴言
2007/11/14
大阪府堺市の私立新金岡豊川総合病院の職員らが全盲の入院患者男性(63)を公園に置き去りにした「事件」は、入院費用の不払いなどのトラブルが背景にあった。置き去りについては府警が捜査しているが、全国の病院では最近、治療費の不払いが深刻になっている。回収できなければ病院の負担になる。単純な患者虐待事件ではないのだ。
3年前には退院できる状態に

患者置き去り事件を起こした豊川総合病院のホームページ
患者男性の公園置き去りがあったのは、2007年9月21日。各紙の報道などによると、豊川総合病院が男性の退院を決めたことを受けて、職員4人が本人の意思に反してこの男性を車に乗せ、大阪市住吉区のマンションの男性宅に連れて行った。が、男性の障害基礎年金などを管理していた前妻(63)がいて、男性の帰宅を断られた。前妻は自らの持病を理由にしたという。そこで、4人は、西成区の公園に連れて行って男性をベンチに座らせ、救急車を呼んだうえで男性を置き去りにした。
不審に思った救急隊員が男性に聞いたところ、置き去りが分かり、連絡を受けた府警西成署が保護責任者遺棄の疑いで捜査している。男性は、その後別の病院に入院しているという。
堺市保健所が病院側から受けた説明などによると、患者の男性は7年前に糖尿病の治療でこの病院に入院したが、3年前には退院できる状態になった。病院側は、退院して自宅から通院するか全盲の入所施設に移るよう促したが、男性は「自分がなぜ動かなければならないのか」と退院を拒否。看護師やヘルパーに対し度々暴言を吐いたり、ベッド近くの備品を壊したりするようになった。あまりに大声を出したり暴れたりするため、病院側が他の患者への迷惑を考えて、6人部屋に移したという。
さらに、男性の前妻が2年前から入院費用を男性の年金で払わなくなった。未収金は、185万円に上っているという。豊川総合病院総務課の鈴木信夫次長は、J-CASTニュースの取材に対し、「前の奥さんとなかなか連絡が取れなかったと聞いています。なぜ払わなくなったか詳しい事情は分かりません。男性本人は、払われていると思っていたようです」と説明する。
未収金が増え、病院によっては経営に影響
この置き去り問題は、話をまとめると、退院拒否や入院費未納、暴言などのトラブルに困った病院職員らがなんとか自宅に帰そうとして失敗。苦肉の策として、救急車を使って他の病院に移ってもらおうとしたらしい。
全国の病院では最近、暴言など患者のモラル低下のほか、治療費の不払いが問題になっている。特に、未収金の問題は、病院を悩ませているようだ。不払い分を回収できなければ病院が負担することになるだけに、日本医療法人協会などからなる四病院団体協議会が06年12月、保険者である自治体などの肩代わり請求を求めて集団訴訟を起こす動きを見せたほどだ。協議会関係者は、「推計では、ここ3年間で未収金が増える傾向になっています。病院によっては経営に影響が出るほど、かなり深刻と言えます。なんとか対策を考えなければ」と話す。
厚生労働省でも07年6月、こうした動きを受けて、未収金問題に関する検討会をスタートさせ、対策を練り始めている。
豊川総合病院でも、未収金の問題はやはり深刻なのか。総務課の鈴木次長は、患者男性のケースについて、「(前妻との)交渉が甘かった」と反省したうえで、「一般的な話ですが、医療保険の個人負担分が増えたこともあって、未払いのケースが出ているようです。未集金に悩んでいるのはうちだけではありません」と明かした。
ただ、患者男性を置き去りにしたことに対しては、鈴木次長は、「起こしてはならないことで、お詫びしたい。前の奥さんと自宅で十分に話し合いをして、理解されるようにもっと努力すべきだった」と話している。堺市保健所でも10月末、医療法に定められた職員の監督を怠ったとして、文書で病院を行政指導している。
医療現場では・・・、
医療崩壊」が深刻化 国の「対策」に批判
2007/6/17
大・中規模病院の医師不足が深刻化し「医療崩壊」とも言われる現状を改善しようと、政府・与党は2007年5月31日、両者でつくる協議会を開いて「緊急医師確保対策について」をまとめた。医療リスク(民事訴訟や刑事訴追)に対する支援体制の整備などを盛り込んだが、早くも「小手先の対策に過ぎない」と批判の声を上げる現場の医師も出ている。
政府・与党がまとめた対策は、6項目。A4版1枚にまとめられている。初期救急も含む地域医療に当たる「総合医」の検討や大学医学部の地域枠拡充などをうたっている。安倍首相は5月30日、同対策が正式決定する直前の対策案の報告を受け、「リーダーシップを発揮して取り組んでいきたい」と与党幹部に意気込みを語っていた。
「これでは小手先の改革に過ぎない」「政府の医師確保策は小手先の改革に過ぎず、泥沼化するのを止められない」と批判するのは、東海大学東京病院(渋谷区)の元院長で、今も同病院などでメスをふるう田島知郎(ともお)・外科医(68)だ。日本乳がん学会長も務めた。田島さんは自身が米国で経験した、開業医と勤務医の垣根をなくす米国型オープンシステムの導入を図らないと抜本改革にならない、と訴えている。同システムの導入については、これまでにも学会論文やマスコミ取材のインタビューなどで必要性を主張してきた。今回の政府の確保対策に関する報道を見て、ますます導入が必要だとの思いを強くした。政府の対策が勤務医と開業医の役割を固定化する従来発想から脱却できていないからだ。
田島さんによると、オープンシステムとは、ほとんどの医師が開業医になるイメージだ。開業医が自身で開いた医院で診療するのではなく、地区の病院へ自らが主治医として出向いて診療、手術をする。病院という建物を借りる形だ。病院には、麻酔科医師や看護師、救急医だけが常駐し、高度な医療機器が導入される。病院への入院患者や外来患者の対応は、開業医が通って担う。一つの病院に何人もの開業医が出入りすることになる。一部を除いて勤務医がいなくなり、多くの医師が開業医として医療行為に当たる。診療報酬は、医者と病院側に別々に支払う。
現在、医療崩壊の大きな要因の一つと言われるのが、大・中規模病院の勤務医が、比較的時間の余裕があり経済的にも有利とされる開業医へ大量に移っていく現象だ。大・中規模病院は難しい手術を行い、人不足で激務でもある。それでいて、訴訟を起こされる可能性もある。
勤務医側には「開業医は治療や手術が難しい患者を病院の勤務医に回し、責任を押し付けている」との不満がある。残された勤務医はますます忙しくなり希望者が減り、医師不足に拍車がかかるという悪循環に陥っている。勤務医から開業医へという流れにどこかで歯止めをかける必要がある。
この点について、政府の対策案では、「交代勤務制など働きやすい勤務環境の整備」「医師、看護師等の業務分担の見直し」を図るとしている。拠点病院の勤務医を医師不足地域へ派遣する仕組みの検討もうたっているが、基本は勤務医を増やして、勤務医を別の病院の勤務医として派遣するという枠組みだ。「医師、看護師等の業務分担の見直し」については具体論はない。田島さんは、勤務医と開業医の関係を抜本的に見直すものとなっていない、と批判する。
勤務医と開業医の垣根なくせ、という意見では勤務医から開業医へという大きな流れに対し、オープンシステムはどう役立つのか。田島さんによると、訴訟リスクの面では、勤務医と開業医の垣根が消えれば、勤務医は危険で開業医は安全という差はなくなる。少なくとも医者の数の面で見ると、現行の勤務医の危険な仕事を勤務医と開業医を合わせた数で行うことになるため、負担の平準化にはなる。
また、多くの開業医が複数の病院で仕事をすることで、従来のような同一病院の「親分子分」の縦の関係ではなく、横の技術交流が促される。優れた医師の技術がほかへ伝わりやすくなるし、競争の面から技術向上を磨かざるを得なくなる。そうすれば、難しい手術を伴う仕事への不安感も減少するはずだ。
過去に複数の開業医が共同で病院を使うという取り組みが一部で行われ失敗したが、勤務医との融合を図るものでなく「オープンシステムとは似て非なるものだった」そうだ。
田島さんの話を総合すると、今の勤務医には負担軽減になりそうだが、現行の開業医にはいいことがありそうにない印象が残る。しかし、田島さんは開業医のためにもなるという。優れた技術を学ぶことができる環境に身を置くことで向上心も満たされるし、高価な医療機器導入などによる経営面の圧迫から自由になり、医療行為に専念できる、などが理由だ。
では、なぜ議論の表舞台に上がってこないのか。田島さんは、名指しはしなかったが、「現状のままで金銭的に不自由せず、変化を嫌う医師の団体と事なかれ主義の行政が呼吸を合わせているからだ」と話した。
意見が分かれる面もありそうだが、この問題がようやく注目されだしたのは確かなようだ。
難しい問題ですね・・・。しかし、利益優先の病院、倫理感・モラルのない医師による事件も起きているので、医療には、道徳観も必要な気がします!。
また、薬品業界では、
医療業界
2004/11/ 1
現状
少子高齢化のあおりで国内市場は飽和へ
日本製薬工業協会が東京証券取引所に上場する製薬29社を対象にした調査によると、バブル崩壊後の過去10年において、他産業の売り上げや利益が大きくマイナス成長を余儀なくされるなかで、製薬業界だけは売上高の伸び率は2%、平均営業利益の伸び率も5%成長という比較的高めの成長を維持することができた。
しかし国内市場に限って言えば、マーケットは次第に飽和状態に向かいつつある。現在の日本は少子高齢化にともなって、医療保険制度が破綻の危機に直面している。そのために、日本政府は2年に1度の割合で薬価の引き下げを実施するなどして、医療費つまり医薬品への支出額を全体として抑制しようとしているからだ。
医薬品の大量投与にブレーキ
難しい手術や先進的な治療を行う「特定機能病院」である82の病院に対して、2003年4月から、包括評価制度が導入された。同制度は一般病棟の入院患者の診療報酬について、1日当たりの報酬を「定額」で支払うと言うものだ。従来の「出来高」払い制度では、診療行為ごとに所定の診療報酬が支払われ、使用した医薬品の金額も使用された量だけ青天井で医療機関へ支払われた。しかし包括評価制度では、医療機関はあらかじめ定額の枠が課せられる。そのため、その予算制約の中でやりくりしなければならず、医薬品の使用に対してもおのずとブレーキがかかるようになった。
大手製薬会社は輸出ドライブかける

築地の国立がんセンター中央病院
一方、国内市場の成長の行き詰まり対策として、1990年代末頃から、一部の大手製薬会社は輸出拡大に動き始めている。輸出比率が10%を超えているのは、武田薬品工業、エーザイなど6社に及ぶ。日本からの薬の輸出高に占めるこの6社のシェアは、この10年間で7割から実に9割まで上昇している。国内市場が伸び悩むなかで、海外展開できる販売網と開発力を持つ大手企業と中堅企業との格差が徐々に広がりつつある。
歴史
米国に次ぐ世界第2の市場
日本の医薬品市場は、米国について世界第2の市場である。米国市場は05年まで年率11%強の高い成長が見込まれているのに対して、日本市場では年率2%強の低成長が続くと予想されている。日本の医薬品には、医師の診断が必要な医療用医薬品と、処方箋なしに誰でも自由に薬局で購入することができる大衆薬と呼ばれる一般用医薬品がある。このうち、医療用医薬品が、全医薬品の9割を占める。
武田薬品工業、三共、山之内製薬など大手製薬会社の多くは、医療用医薬品を中心に製造・販売しているが、大衆薬も一部で手がけている。 しかし、大衆薬は市場が比較的小さく、一般消費者への広告宣伝費用がかさむことから、収益性が低く、その多くが赤字だと見られている。
大正製薬のように大衆薬を中心に事業を展開して高い収益を上げている大手の製薬企業もあるが、大衆薬中心の製薬企業は中堅以下の会社が多くを占める。大衆薬の最大手は大正製薬で、2位はエスエス製薬である。大正製薬はドリンク剤で4割のシェア、総合感冒薬で3割弱のシェアを誇る最大手である。大衆薬の大手企業には、大正製薬のようにドリンク剤や総合感冒薬で高い実績を上げている大手が多い。
制度改革の柱は薬価改定と医薬分業
国内の医薬品市場は90年以降、低成長が続いている。それは政府が、増大する一方の医療費の負担を抑えるために、医療制度の改革を進めているからだ。医療制度の改革に柱は、薬価改定と医薬分業の2つである。
薬価改定とは、薬の公定価格を見直して、実勢の市場価格に近づけることを指す。これまでは、製薬会社が公定の薬価より低い価格で病院などに薬を販売し、病院はそれより割高の公定の薬価で国に診療費を請求する。その結果、その薬価と実勢価格の差額(薬価差)が病院などの利益になってきた。これは裏を返せば、保険組合や国が過剰な医療費を支払っていうことを意味する。
国の財政赤字が大きく膨らんでいる現在、そんなムダを続けている余裕はない。 そして政府が打ち出した対策は、二つ。1.原則として2年に1度、薬価を実勢価格にできるだけ近づける改定(値下げ)を行うことと、2.薬漬けの診療を排除するために医薬分業を進めるということだ。
医療用を中心に再編の動きが活発に

全薬工業の工場でフィルム梱包される風邪薬
医薬分業とは、患者の治療と処方箋は病院に任せ、薬の販売は薬局が行うという分業化を進めようというものだ。病院経営から薬販売の利益を切り離すことで、医師は診療に徹底させて、患者への薬の過剰投与にブレーキをかけることを狙ったものだ。
その結果、医療用医薬品を扱う国内企業を中心に、再編の動きが活発になっている。三菱東京製薬とウェルファイドは2001年10月に合併し、三菱ウェルファーマとなった。中外製薬はロシュ(スイス)の日本子会社である日本ロシュと2002年10月に合併、第一製薬は酒類・飲料業界の大手サントリーの医薬品事業を買収した。大衆薬の最大手である大正製薬は、2001年に田辺製薬との経営統合を発表したが、その後、白紙撤回する結果となった。しかし、2002年8月には富山化学工業と包括提携、2003年4月には医療用医薬品の販売を統合した。
将来を展望するための3つのポイント
ポイント1
新薬開発の大きなリスク
今後の医薬品業界を占うキーポイントは、再編、分業化、外資買収の3つである。
まず、業界の再編の動きが加速することが予想される。医療制度の改革は、医薬品業界に大きな影響を与えている。医療費(薬剤費)を抑制しようとする国の政策は、医薬品市場の伸び悩みに直結している。 そこで大手の製薬会社では、冒頭でも触れたように、新薬の開発に力を入れる一方で、米国など海外への進出を積極的に進めることが課題になっている。

医薬分業が確立し、患者に薬を販売するのは病院ではなく、薬局にゆだねられている
相次ぐ薬価改定が製薬会社の利益が大きく減少させる原因になっていることは、すでに紹介した。製薬会社が利益を高めるには、画期的な新薬の開発を進めることが急務となっている。画期的な新薬は、発売後、時間を経た製品に比べて、薬価が高くなるからだ。
しかし新薬の開発には、膨大な研究開発費が必要とされる。しかし、それだけの資金と投入したからと言って、有望な新薬を開発できるとは限らない。大きなリスクを抱えるビジネスとなっている。一説には、新薬の開発においては実際に発売にこぎつけられるのは、6000分の1の確率と言われ、1つの新薬を発売するまでに10年以上の歳月と150億~200億円の費用がかかるとも言われている。
大型合併で2強時代突入か
また、せっかく膨大な資金を投入して新薬の発売までこぎつけることができたとしても、20年間の特許期間が切れてしまえば、独占的な製造・販売ができなくなり、収益性は大幅に低下してしまう可能性がある。
そのため、膨大な研究開発の負担を軽減するため、世界的な規模で業界再編が進んでいるが、日本の製薬会社も再編のうねりとは無縁では済まされなくなっている。有力な製薬会社同士の合併によって、経営規模が拡大すれば、新薬の開発負担が相対的に軽減されるからだ。
2003年に米国のファルマシアを吸収した新生のファイザー(米国)の医療品の売上高は400億㌦以上に達する。これは国内首位である武田薬品工業の6倍弱の規模だ。
しかし、国内でも売り上げで業界3位の山之内製薬と5位の藤沢薬品工業が05年4月に経営統合をすることをすでに発表している。もしこの大型合併が実現すれば、武田薬品工業に肉薄する国内第2位の企業が誕生する。こうした勝ち組同士の大型合併を機に、これまで立ち遅れていた国内の製薬業界の再編も一気に加速する可能性がある。
ポイント2
研究開発と生産の分業体制
こうした業界再編をきっかけにして、業界内での分業化が進むことになろう。02年7月に薬事法が改正されて、医薬品の製造承認制度の見直しが行われた。従来は、新薬の開発会社は、自社の工場で製造すること(少なくも製造工程の1つは自社で受け持つこと)が義務付けられていた。改正後は自社で開発した新薬でも、製造をすべて他社に委託することが可能になった。
その結果、大手製薬会社の中では、新薬の開発に経営資源を集中させ、生産を丸ごと外部に委託する動きが出ている。一方、中堅クラスの製薬会社の中には、新薬の開発は一切行わず、こうした受託生産に特化しようとする動きも出てきている。研究開発と生産の分業化である。
ポイント3
欧州勢の日本攻勢
仏アベンティス、英グラクソスミスクライン、独ベーリンガーインゲルハイムなど欧州の大手製薬各社が日本市場で新薬攻勢をかけてきている。生活習慣病や中枢神経系の病気など市場拡大を見込める分野に焦点を当てて、販売品目を増やしている。
日本は米国に次ぐ世界第2の市場であり、欧州各社のシェアはまだ低く開拓の余地は十分だ。すでに米国の最大手であるファイザーが日本での事業展開を積極化させているほか、ロシュが中外製薬を傘下におさめた。この結果、外資のシェアは3割を超えている。こうした日本市場をめぐる日米欧企業の激突は、日本製薬業界の再編にさらに拍車をかけることは間違いない。
日本では、新薬や新治療法の認可が下りるまでに時間がかかり過ぎる気がします。
また、福祉面では、こんな人がいましたね・・・、
◆ とくダネ!
舛添厚労相もご立腹? 厚労役人「たかり」の数々
2007/8/31
「うらやましい親戚をもった人のお話です」と、笠井信輔が口火をきった。厚生労働省の局長が、親戚の社会福祉法人の前理事長から、高級車や現金数百万円をもらっていたが、どちらもいけないこととは思っていなかったーー。ん?

受け取っていたのは、先週金曜日に退職した九州厚生局長の松嶋賢氏(59)。渡していたのが、大阪・枚方市の社会福祉法人「枚方療育園」の山西悦郎・前理事長(80)。妻がいとこ同士という関係だが、贈答の内容がすごい。
高級車が計3台。現在のはセルシオで譲渡時の価格が400万円。「買い換えるからいらない」ともらったのだと。最初が92年「退院祝い」、次が01年でキャデラック(ともにすでに廃車)。ほかに、新築祝いだリフォームだ餞別だと、数百万円単位で受け取っていたらしい。
2人の公的な関係は、認可・監督する側とされる側だ。当然ながら、「便宜をはかったのではないか」と疑惑がもたれるところだが、松嶋氏は「生活水準が違うから」「公と私は区別している」と悪びれた様子もない。たしかに片や法人資産360億円ではある。
松嶋氏は、いわゆるキャリアではないが、04年ノンキャリで初めて障害福祉課長に就き「ノンキャリの星」といわれたやり手。この前後に山西氏の11か所の施設のうち4つに、計10億4100万円の補助金が出ている。しかし、松嶋氏は「地方から上がってきたものに印をついただけ。いちいち見てない」という。
小倉智昭は「一方はお金持ち、一方はお役人。親戚だからといっても、世間はそうはみないね」という。とくに、松嶋氏の退職が微妙だ。「国家公務員倫理法」は、親族間のやりとりもダメとなっているのだが、適用されるのは、現職だけだ。氏は1週間前に、定年まで1年を残して辞めているのだ。
実はこの法律も、10年前の厚生事務次官の汚職事件がきっかけでできたもの。年金の「グリーンピア」もそうだが、厚労省には補助金をネタにした汚い噂がたえない。国の金にたかる構造は、法律くらいで変わるものではなかろう。
小倉も「立件するのは難しいんだろうか。補助金もらったら、1000万単位のバックがあってもおかしくない」というのだが。
頼みのひとつは、先に就任した舛添厚労相だ。この話には相当頭にきているらしい。これまでと違うところを見せるチャンスにするかもしれない。
退職してしまったら、国家公務員倫理法が適用されないとは何ともお粗末な法律ですよね・・・。舛添氏も、今は、きえた年金問題と薬害肝炎問題で手一杯でしょうね・・・。
また最近の若い世代では、
広がる若者世代の貧困 「一回転ぶとドン底まで行く」
NPOもやい事務局長・湯浅誠氏インタビュー(上)
2007/6/30
最近、「ネットカフェ難民」の実態がメディアで大きく取り上げられ、若年世代を中心とした「貧困」の現状が浮き彫りになった。この世代の「貧困」は広がりを増し、深刻な問題になりつつある。彼らはなぜ「貧困」に苦しまなくてはいけないのか。その脱出策はあるのか。1995年からホームレスの支援に携わり、NPO法人自立生活サポートセンター「もやい」の事務局長を務める湯浅誠さんに聞いた。
「日本全体が『貧困化』している」と語る湯浅誠さん
子供支えるのは「もう限界だ」
――若者の相談は増えているのでしょうか。
とっても増えているんです。最近の相談例を紹介しましょう。例えば、今週(もやいを)訪れたのは、34歳の男性で、7年間ネットカフェ難民をやっていました。
といっても、7年間ずっとネットカフェで暮らしていたわけではなく、友達の家にいたりもしていましたけど、広い意味での「ホームレス」ですよね。
家賃が払えなくなった35歳の女性も来ました。
31歳の男の人の場合も厳しい状態でした。
1年ぐらい前にうつ病でコンピュータの関係の仕事をやめたんですが、もともと実家とはあまりうまく行ってないというか、実家にいながら台所を使わせてもらえない状態だったんです。
1週間ぐらい何も食べてない状態でした。実家にいながら飢えてたんですね。
本人も自信を失っていて、なかなか相談に来るまで踏み出せなくて、ようやく2~3週間ぐらい前に来て、対応しました。今は見違えるほど元気になっています。
「ネットカフェ難民」を筆頭に、メディアなどでいろいろ話題になっていることも影響して、若い人の相談が増えているのは確かです。
ただ、若い人たちだけかというと多分そうではない。一番感じるのは、「多様化」ということです。
例えば、1日のうち1時間ずつ予約制で相談を受けてるんですけど、10代の施設を飛び出してきた人が来たり、80代のおじいいちゃんが来たり、家族一家が4人揃ってきたり、若い男性やカップルが来ることもあります。
――男女問わず、年齢も拡大している?
そういう感じですね。日本全体が「貧困化」していると思います。
若者はメディアに非常に注目されてるので、どうしても貧困の問題は就職氷河期の問題と結び付けられやすいのですが、私は必ずしもそうではないと思います。
全体が地盤沈下しているなかで、とりわけ若者に注目が集まっている、ということです。家族の相談が増えてきたのも特徴です。
支えてきた人が一緒に来て、言うことは決まっているんです。「今まで何とかしてきたけど、もう限界だ」と言うんですね。
こうした人たちは「貧困」という状態までは行ってないけど、支える余裕がなくなってきてる。
考えてみれば、例えば定年退職しても、貯金とわずかな年金で、あと20年~30年、ひょっとしたら40年、息子や娘を支えて暮らしていかないといけない。
勿論そこには、不安があるわけですよね。「もう限界だ」というので、相談に来るんです。
――若くして貧困に苦しんで相談に来る人は、家族の支えはないのでしょうか。
ほぼ例外なく家族と断絶しています。
どういう原因がなのか聞くのはあまりにデリケートなので、信頼関係上、最初はあまり聞かないようにしています。
ただ、ぼつぼつ関係ができてきてから聞いてみると、ほぼ例外なく家族との関係が切れている。若い人の場合、もともと養護施設出身の人、ご両親が離婚している人、DV(家庭内暴力)の被害に遭った人、いろんな人がいます。
何らかの形で家族に頼れない事情があると例がほとんどですね。
親と同居しているフリーターは、仕事は不安定だけど、家族の支えがあれば、そのまま生活の不安定さには直結しないわけです。
でも、そこでサポートしてくれる家族の関係がないと、仕事の不安定さがそのまま生活の不安定さに直結してしまう。
それを私は「溜め」がないといってますけど、そういった「溜め」が失われてしまっている人が多いです。
「意欲の貧困」が起きている
――クッションがないということですね。でも家族のサポート、つまり「溜め」がない場合、困窮する人たちはどうやって自立していくのでしょうか?
「溜め」を増やしていくしかないですよね。貯金といった金銭関係、家族・友人、精神的には「自信」とかですよね。
先ほどお話しましたが、31歳で実家で飢えていた男性は、最初に来た時、「30歳になって恥ずかしい、もう生きて行けない」と言ったんです。
「意欲の貧困」というか、すでに精神的に「溜め」がなくなっているんですね。生活の基盤ができた、友達ができた。そういうことがあって元気になれたんだと思います。
あと、生活保障や居場所、そういったものがセットで提供されることが非常に重要なんですね。
僕は「再チャレンジ」はうまく行かないと言っているんですけど、「再チャレンジ」というのは一言で言えば、「労働市場で働け」ということですよね。
条件が過酷ですから、その日の暮らしに追われて、「溜め」ができないわけです。
もっと働いたところで、脱出できるわけでもない。どうやったら、その人の「溜め」を増やしていけるのかを真剣に考えなければならないと思います。
福祉事務所に行って生活保護を受けようとしても「お前まだ働けるでしょ」と言われて追い返される。
もう、それから後は、つるつるの坂道みたいなもので、何の歯止めがない社会なんですね。
一回転んだらさーっとどん底まで行っちゃう。
世の中では、「楽して生きたいから生活保護を受ける」みたいに考えられているけど、本当は本人だって生活保護なんて受けたくないんですよ。
でもそれ以外、他に生きる方法がない。だから、労働や社会保障を含めたセーフティネットをもう一度張りなおさなければいけないのです。
「ネットカフェ難民」転落 本当に若者の「責任」なのか
NPOもやい事務局長・湯浅誠氏インタビュー(下)
2007/7/ 1
ネットカフェで暮らす「ネットカフェ難民」やファーストフード店で夜を過ごす「マック難民」といった若者たちが話題になっている。彼らはどうして「難民」になったのか。「自己責任」なのか、それとも、どうしようもないことなのか。前回に引き続き、NPO法人自立生活サポートセンター「もやい」の事務局長を務める湯浅誠さんに聞いた。
――「ネットカフェ難民」といわれる人が現れたのはいつ頃からでしょうか。
ネットカフェが24時間営業を始めた最初のときから、7年ほど前からだと思います。
実際に相談に来た34歳の男性は、6年~7年ネットカフェに住んでいました。実際に世間で注目されたのは2006年からですが、私たちのところに、ネットカフェから初めて相談に来たのは2003年です。かなり前から「ネットカフェ難民」はいたわけです。
私は以前、渋谷を中心に活動していた時がありました。街に野宿する若い人が増えてきて、2000年前後から珍しくなくなってきたんです。
90年代だと、「何であなたみたいな若い人が」と驚いたものですが、もう珍しくなくなった。今では、野宿まで行かないにしても、それに近い若者が相当数いるはずです。
働く人たちの横の繋がりもなくなった
――「ネットカフェ難民」といった、日雇い派遣の労働者たちは携帯電話をつかってその日の仕事にありついているようです。昔と変わったことはありますか。
たしかに、携帯電話は日雇いの労働者にとって必需品です。
私は日本全国「寄場(よせば)」化してるといっています。「寄場」というのは、東京だと山谷とか、大阪の釜ヶ崎とかは昔から日雇い労働者の町なんです。
なぜ、日雇い労働者の街ができるかというと、そこにいかないと仕事が得られないからですよね。働き手を探している業者もそこにいかないと日雇い労働者を集められなかった。
携帯電話で、「直行直帰」のスタイルが可能になったから、「寄場」に住む必要がなくなった。その中で何が変わったかというと、「寄場」でいう「ダチ」「ツレ」という、一緒に働いて、終わったら一緒に飲んで、というような友人関係ですよね、会社とトラブルがあったときに助け合ったりするような関係ですが、これがなくなった。働く人たちの横の繋がりがなくなった。
みんな「直行直帰」だから、毎日行く現場が違うし、毎日会う人が違うから、友達ができない。人間関係でも「溜め」「安全ネット」がなくなってしまったんです。
――一方で、若者の「弱さ」「甘え」が、すぐに仕事を辞めて職を点々とするようなフリーターを生み出した、という意見もあります。
なんと言っていいのか難しい問題なんですけど。前にこういう事例がありました。
5月に失業、相談に来たのは9月なんですが、その4ヶ月間の間に食べられなくなった男性でした。その間に、彼は3回就職しました。でも、3回の仕事をいずれも3日、3日、1日で自分から辞めてしまっているんです。食うに困っていて、仕事を探していて、実際に採ってくれるところもある。でもなんで辞めてしまうのか、ということですよね。
彼に働く気がないのかというと、そうではない。そうじゃなきゃ3回も就職活動はしないわけで、だけど、続かない。「なんで?」と聞いたら、「仕事についていけると思わなかった」。そこがいわゆる「弱さ」の正体ですよね。
私はいつもこう言っているのですが、新しい仕事に就くということは、大変なことです。
会ったことがない人たちと、やったことのない作業をやるってこと。多くの人はできると思うんですね。しかしやったことないんだから、そこには実は根拠がない。
なんで根拠もないのにできると思えるのかというと、「今までやったことないことやらせてもらえた」「チャンスをもらえた」「やったことないことをやってうまくいってほめられた」といった「成功体験」みたいなものを過去に持たせてもらえた。
だから、それを応用して「できる」と思えるんです。
逆に言うと、そういう経験に乏しい人にとっては、「できる」と思えない。本人にとってはこれが、大問題だったりするんですよね。
これは、自己責任論と絡むんです。病気で仕事に行けなくなって解雇されたというと、みんな「しょうがない」というんです。
みんな実際に病気をしたことがあるから。「健康管理がなってない」と自己責任論で片付けることもできるはずですが、そう言って批判する人は多くはない。
一方で、仕事のことになると、「お前が頑張らなかったせい」と自己責任論で片付けられる。多くの人にとっては「頑張ればできる」ということなんだろうけど、本人にとってはどうしても乗り越えられない。
これも広い意味で「貧困」だと思うんですよ。つまり、「意欲の貧困」、精神的に「溜め」がないということなんです。
仕事をしても、生活できないひとがたくさんいる
――たしかに、「意欲がない」子供が目立ちます。「この先どうやって生きていくんだろう」という気になります。
日本ではそれほど意識されてないけど、「貧困の連鎖」が起きています。
その人の「溜め」をどう増やしていくのかを真剣に考えなくちゃいけない。「お前甘えてるから仕事しろ」っていっても片付かない問題なんです。
本人も一番そのことは分かってるんですね。そんな説教では「自分が悪い」と、ますます自信をなくしていく。
「自己責任論」の問題は、倫理的によくない、というよりも実効性がなくて解決にならない、という点なんです。
何らかのかたちで「成功体験」や受け入れられる経験を通じて「溜め」を増やすことが重要だと思います。
――賃金が安い。これも日雇い労働者が困窮する理由になっている?
大宮で6~7年間ネットカフェで暮らしていた人は、派遣大手で働いていたんですけど、固定で月8万。
足りないからほかの派遣会社で仕事をすると、ブッキングしたときに困るわけです。
断るときも出てくる。派遣会社からしてみれば、「仕事をまわしてもやらない奴」とレッテルを貼られ、仕事が回ってこなくなる。
誰のせいなんだというと、彼のせいではないだろう、と思うんです。
彼は結局、ネットカフェにも1週間毎日は泊まれなくて、週4日ネットカフェですごして、あとの3日は朝の始発の京浜東北線にのって3往復、これで睡眠時間をとっていた。
本人がどうにかできたのか。私は無理だと思う。彼は生活保護を取る事に抵抗を感じていましたが、今では生活保護を取って、そこの仕事をしながら、ハローワークで仕事を探しています。
日雇い派遣については、政府が派遣法をどんどん緩めていった。
日雇労働で有名な大手企業も、なんであんなにでかくなったのかというと、政治が規制を緩めてきたからですよね。
その結果、かつてのように仕事していれば生活できるはずだ、という「神話」が成り立たなくなっている。
仕事をしても、生活できないひとがたくさんいる。ここが、そうじゃない人にはなかなか分かってもらえない。「仕事すれば何とかなるはずなのに何とかならないのはきっとお前がなにか足りないんだろ」となる。
生活保護受けると、「なんか、あっち側に行っちゃう」
――生活保護を取るのはイヤだ、という人は多いのですか。
社会一般のイメージが悪い。なんか、あっち側に行っちゃう、俺はまだ働けるのに生活保護を受けるなんて、と思うわけですよね。
何とかなるはずじゃないかと。一般の人が思っているのと同じです。
しかも、福祉事務所には、どうにも生活できない、といわば「白旗」を揚げていくんだけど、「甘えるな」と跳ね返されちゃいますからね。
このあいだ、福祉事務所に生活保護の申請に行った女性は、受理してもらえなかった。
理由を聞くと、福祉事務所側は「申請を受理したら生活保護を開始しなくちゃいけないから」と追い返されたと言うんですね。
めちゃくちゃな、理由にならない理由で、力関係だけで追い返されている。
本当は本人だって生活保護なんて受けたくない。
福祉事務所もなかなか受理しようとしない。
気楽に受けて、「貧困」状態から脱出できれば、生活保護のイメージが変わるはずです。
そしていろいろな面で「溜め」ができれば、生活保護から脱するといういいパターンに入れるのです。
――国や自治体の政策面ではどうすれば、困窮する人たちを救えるのでしょうか。
やはりセーフティネットの張りなおしが重要だと思います。
ひとつは最低賃金など賃金の水準ですね。労働市場に完全にまかせておいたら、賃金は1円でも安い方がいいに決まっていますから、政府が介入しなくちゃいけない。
それと、高度経済成長期では、企業と家族が歯止めになっていた。だから公的保障まで行かなかった。今はここも違いますね。そこで、失業保険が重要になるんです。
失業保険は対象が限定されている上、3ヶ月と期間が短い。その結果、国の予算が余っている。
しかし、政府は、対象を広げたり、給付期間を延ばすことを考えるかというと、まったく逆で、国庫負担金を削減しようとしている。
とんでもない事態です。そして最後に、生活保護などの公的扶助によるセーフティネット。違法に追い返されるようなことのない社会にしないといけないと思います。
国は何を目先の国庫負担金の削減に目を奪われているのでしょうか? 長いスパンで考えると日本の未来は真っ暗になりそうなものですが・・・。お役人仕事だから数字にしか目がいかないのでしょうか・・・。今、若者がしっかりと働いて給料をもらい税金を払えるようなシステムを早急につくらないと将来的に、国の財政は悪化するばかりでしょうに・・・。
<湯浅誠(ゆあさまこと)プロフィール>
NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長/反貧困ネットワーク準備会事務局長。1969年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。95年からホームレス支援に携わる。 現在、便利屋・あうん代表、ホームレス総合相談ネットワークを兼任。著書に、『あなたにもできる!本当に困った人のための生活保護申請マニュアル』(同文舘出版)、『貧困襲来』(山吹書店)。
グッドウィル提訴から始まる 「ワーキングプアの逆襲」
派遣ユニオン・関根秀一郎書記長インタビュー(上)
2007/9/23
人材派遣大手・グッドウィルの派遣労働者26人が2007年8月23日、東京地裁に同社を提訴した。グッドウィルに「データ装備費」の名目で天引きされた給与計約455万円の返還を求めるものだ。「ワーキングプア」と呼ばれる若者たちの「貧困」が問題になっているなかで、この提訴が与えるインパクトは何なのか。そして、厳しい労働を強いられている「ワーキングプアの逆襲」はこれからもあるのか。グッドウィルを提訴した原告が参加する派遣労働者でつくる労働組合・グッドウィルユニオン書記長の関根秀一郎さんに聞いた。
――グッドウィルを相手取った訴訟では、「データ装備費」の全額返還を求めていますね。今回の訴訟は、派遣労働者たちにとってどのような意義があると考えますか。
ご承知のとおり、「データ装備費」というのは1稼動について200円天引きするというもので、あきらかに違法な天引きです。
現在、グッドウィルは2年分を返還するという事ですけど、全額返還を求めて訴訟に踏み切ることになりました。
彼らが訴訟に踏み切った背景には、あまりにもひどい労働条件、低賃金、不安定な雇用条件で働かせられていることがある。
しかも、一ヶ月フルに働いても収入は10数万円にしかならない。こういった酷い働かせられ方に、怒りが爆発した。
自分たちがきちっと生活できる仕事をよこせ、と訴えかける。それが、今回の訴訟の根底に流れている意義だと考えています。
「使い捨て状態」改善のスタート地点に立った
――怪我をした時のためだと聞いていたのに、港湾で荷さばき業務中、左足を骨折したのに「データ装備費」分の保険が支払われなかったという報道もありました。
「グッドウィル訴訟の原告は増えていく」と語る派遣ユニオン・関根秀一郎さん
彼は今年の2月に荷おろし作業中、荷崩れで膝がはく離骨折してしまう重い怪我をした。
実は、労働者派遣法で禁止されている港湾業務だったのです。
相当昔からグッドウィルで働いていて、「データ装備費」は怪我や労災のときの保険だという説明を受けていました。
ところが、入院先でグッドウィル担当者に話をしてみると「今はその保険はありません。労災保険を適用します」という答えが返ってきて、彼は非常に驚いたわけです。
「データ装備費」について背景をお話しすると、グッドウィルは1995年に設立されましたが、当時、肉体労働の労働者派遣は禁止されていました。
しかし、グッドウィルは脱法的に派遣事業をやっていて、派遣先と業務委託契約を結んで派遣を行う「偽装請負」が当初のやり方でした。
事故があった場合、「偽装請負」がばれてしまうから、労災隠しをする。
グッドウィルは自分のところで医療費を払ってあげる。これでいいだろう、と説得した。
この費用が「データ装備費」であり、当初は労災隠しの費用として積み立てが行われていたのではないかと言われています。
ところが、1999年に労働者派遣法が改正されて派遣可能な業務が自由化され、グッドウィルもその頃から急速に拡大していく。
このときグッドウィルがおこなっていた、日雇い派遣、肉体労働を中心とした派遣が合法化されます。
たとえ事故があっても労災隠しをせずに労災適用できるようになった。
そのころから「データ装備費」がグッドウィルにとっての「利益」という形に変わっていったのではないかと言われています。
労災隠し費用だとしても利益だとしても、いずれも許されることではありませんけどね。
――フルキャストの場合は「天引き」について全額返還するということになったようですね。
フルキャストの場合も古くから派遣労働者の給与の「天引き」を行っていたのでしょうか。
フルキャストも250円の「業務管理費」を給与から天引きしていましたが、正式には2007年7月6日に私どもとの団体交渉のなかで全額返還すると回答して、7月30日に全額返還の協定書を結び、8月1日から返還のための手続きを開始しています。
フルキャストは1992年に創業しているわけですけれども、その当時から「業務管理費」を引いていた。
フルキャストは創業時にさかのぼって返還することを約束しています。
――フルキャストをはじめ返還の動きが出てくることで、「使い捨て」ともいうべき派遣労働者の環境がこれから変わってくるのでしょうか。
どこがどう変わっていくかは、これからにかかっている。
少なくとも、「不当天引き」については、返還される流れになってきている。
もちろん、グッドウィルは全額を返さなきゃいけないわけですけどね。
ただ、派遣労働者の労働条件については、朝早く集合しても、その分の給与が支払われていない、仕事が突然キャンセルになったときの賃金保証もないという現状もあります。
日雇い労働者がおかれている「使い捨て状態」を改善していく、そのスタート地点に立ったというところです。
グッドウィル訴訟、原告の数は増えていく
――グッドウィルの訴訟についてですが、原告はもっと増えていくのでしょうか。
原告が26人というのは、実は私たちの予想よりすごく少ないです。
当初は、100人ぐらいの規模になるだろうと考えていました。
「データ装備費」が何回引かれたかが全部書かれている「支払い確定内訳一覧表」というデータがあって、訴訟に最低限必要な資料として開示請求しましたが、グッドウィル側がわざと出さなかったのです。
これから、代理人を立ててきちんと開示請求していきます。
個人情報ですから、グッドウィルは当然開示に応じなければいけません。
これによって、多くの人が訴訟に踏み切れることになります。
26人で賠償額は450万円ですから、100人規模になれば2000万円規模になる可能性が高い。
なんとか取り戻したいという人は山ほどいますから、当然、原告の数は増えていくでしょう。
――フルキャストは返還に応じる一方で、グッドウィルは全額返還に応じない。なぜだと思いますか。
返すという判断の方がどう考えても賢明ですよね。
不当な天引きが違法であることが社会的に認知されているわけでから。
放置するということになれば、社会の非難を浴びる。
そう考えた時、フルキャストとしては、確かに返還するのは支出という面では痛いけど、返さないで社会の非難を浴びるよりも会社にとって打撃は少ないんだ、という判断をしたのだと思います。
単純にグッドウィルの判断が賢明じゃないとしか言いようがないですよね。
――グッドウィルやフルキャスト以外の派遣業者を通じて働く派遣労働者もいると思います。
そういったところでも「天引き」はあるのでしょうか。また、返還させる交渉を行っているのでしょうか。
これから、次々に日雇い派遣会社のユニオンを作って、不当天引きの返還を求める「闘い」を始めようと思っています。
不当天引きは、日雇い派遣業界においてはほとんど全ての会社がやっていました。
業界では通例化していたんです。ただ、フルキャストとグッドウィルが大きな問題になったために、ほとんどの会社が不当天引きを5月から7月にかけて一斉に廃止しているんです。
でも不当天引きの返還に応じているのは、フルキャストが全額、グッドウィルが2年分だけという状況です。
うちにも返還を求めたいという相談が次々寄せられているので、「闘い」はこれからだと思っています。
支えてきた親が高齢化 これで起きる「若者ホームレス」爆発
派遣ユニオン・関根秀一郎書記長インタビュー(下)
2007/9/24
派遣労働者が厳しい労働環境におかれていることがクローズアップされてきている。厚生労働省の発表では、定住先がなく、漫画喫茶やネットカフェで寝泊まりするいわゆる「ネットカフェ難民」の数は全国で5,400人(推計)。しかも、定住する場所が無い、ワーキングプアの数は今後爆発的に増える可能性があるという。前回に引き続き、派遣ユニオン書記長でグッドウィルユニオン書記長の関根秀一郎さんに話を聞いた。
――派遣労働者の環境が大きく変わったのはいつごろからでしょう。
山谷、釜ヶ崎といった「寄場」で働く労働者のところには手配師がいて昔から給料を「ピンはね」していました。
しかし、「ピンはね」は労働条件の著しい低下を招くとして、職業安定法も労働基準法も禁止していました。ところが、1985年に労働者派遣法が成立し、1986年に施行される。
この労働者派遣法は「ピンはね」を「マージン取得」という形で一部例外的に認めることになった。
その時点では、「派遣業務」は専門性の高い業務などに例外的に認めただけで、雇用市場にはそれほど大きな影響を与えなかった。
ところがその後、規制緩和が繰り返し行われ、1999年に派遣可能業務が原則自由化されてしまう。
このときに「ピンはね」が事実上解禁されてしまったわけです。
当然、雇用市場に与える「ピンはね」の影響はものすごく大きくなった。
「ワーキングプア」は両親のもとで「パラサイト」している
「ホームレスに近づく人たちがどっと出てくる可能性がある」(派遣ユニオン・関根さん)
――派遣業者のマージン取得が派遣労働者を苦しめている?
そうですね。当時、手配師が取るのは1割だったから「ピンはね」だったんですけど、合法的にできるようになってからはマージンとして給料の3割くらい取られる。
驚かれるでしょうが、マージンの規制が労働者派遣法には全くないんです。
山谷などの肉体労働者は、1日の日雇い賃金が1万~1万2千円を下らなかった。
今も当時も貧困のなかにいることは変わらないけど、当時は、その日泊まる木賃宿代やお酒を一杯やるお金が確保できていたのに、今はさらに引かれていますから。
日雇い派遣は肉体労働でも、1日7千円程度が相場ですからね。
マージンとして3~4割引かれていたら、とてもじゃないが、独立した生計を営んでいくのは不可能ですよね。
いわゆる「ワーキングプア」と呼ばれる人たちは、20代~30代の人たちが多いけど、彼らは就職の超氷河期に職業生活をスタートしたんですよ。
「正社員」の募集がないときに、やむなく「非正規」として働き始める。
非正規雇用は職歴にならないから、再就職しようとしても、正社員として就職できない。
つまり、非正規雇用で固定化されてしまっている。
言ってみれば、非正規雇用の「団塊の世代」になってしまっている。
正社員として働きたくても「ワーキングプア」とよばれるような働き方をさせられている。
彼らは独立生計を営めないから、両親のもとで、いわゆる「パラサイト」ということで吸収されている。
しかし、「パラサイト」で吸収できるうちはまだいい。
あと10年、この状態が固定化されていったらどうなるか。親が高齢化し60~70代になると、吸収できない構図になる。
そうなったときにネットカフェ難民・ホームレス型に近づく人たちがどっと出てくる可能性があるのではないか、そういう風に私は思っています。
――厚生労働省の発表では、いわゆる「ネットカフェ難民」といわれる人の数は推計で5,400人らしいですね
実際、今は「ネットカフェ難民」はそれほど多くないですよね。
何らかの事情で親と断絶している人たちが、独立していかなければいけないから、「ネットカフェ難民」化するわけです。
今はダムが決壊する前夜で、このまま「ワーキングプア」の状態が固定化されてしまったら、ダムが一挙に決壊するようなかたちで、「ネットカフェ難民」化する人たちが出てくる。
そんな危険性が既に見え始めている、と私は思っています。
―― 一方で「ワーキングプア」が問題になるとき、最近の若者が弱くなったのではないか、あるいは、自由に働きたい時に働けるから、好き好んで「派遣」を選んでいるのでは、といった議論もありますよね。
有期雇用に対する規制が必要だ
今の若者が弱くなったとは全然思いません。
若者からの就職相談を受けたりしますが、若者の意識が大きく変わった事はないと思いますね。
常に社会問題が起こると、当事者の意欲・意識の問題に押し込められちゃうということがあるんですが、現実はもっと構造的な問題なんですよね。
今の若者も好き好んで不安定な働き方をしている人は全然いないですよ。
できることなら正社員になりたいと思っている。
ところが、雇用市場を見渡す限り、募集しているのは非正規の雇用ばっかりですよ。
実際に、「悪貨は良貨を駆逐する」という形で、日雇い派遣のような劣悪な労働条件の雇用形態が広がっちゃっているわけです。
安定した雇用でまかなっていた部分も、「こんなに雇用調整しやすいのか」ということで、どんどん日雇い派遣に切り替えられちゃっている。
これから就職しようとする人にとって「安定した職」がなくなっていく状態ですね。
もう1つ言うと、20年前の若者が高校卒業して、整備工場で働いたとき、仕事がきつかったことは今と変わりないと思うんですよ。
ただし正社員として採用されていますから、給料が安くて仕事がきつくても、先輩たちを見て「いずれ生活が安定してくるな」と将来像を描ける、希望が持てる、そのような職場で働いていたわけですよね。
今はどうなっているかというと、請負会社を通じての雇用ですから、みんな2~3年で放り出されるという構図になっていて、長い間働いている人なんていないんですよ。
仕事はきつい、将来像も描けない。希望も持てず、仕事をやめざるをえない。
こんな状況だったら、昔の若者でもみんなつぶれていったと思いますよ。
――「ワーキングプア」が苦しんでいる劣悪な労働条件を抜本的に改善していくとしたら、どういった方法をとればいいのでしょうか
経営者のエゴイズムを改善するのは事実上不可能だと思うんですね。
となると構造的に変えていく、規制していく、そのためには法律・制度によるしかないだろうと思います。
必要な政策は大きく分けて3つあります。
1つは、これだけ貧困が生まれてきた背景には格差がある。
低賃金の労働が増えて格差が拡大してきたことが貧困を生んでいる。
格差にきちっと歯止めをかけていくためには、同じ労働をしていたら同じ労働条件を定めなければいけない、という「均等待遇」を法律上定めていかないと格差の是正にはつながらないし、貧困を生み出す低賃金の是正にはつながっていかない。
この「均等待遇」を立法化することが一つの政策だと思う。
2つ目には、有期雇用に対する規制が必要です。
不安定雇用を生み出しているのは有期雇用ですよね。
派遣・パート労働者も1ヶ月とか3ヶ月といった短い雇用契約を何回も何回も更新する「コマ切れ契約」という状態の中で働かせられている。
5年も10年も働いているのに、1ヶ月契約を更新している労働者も結構います。それは、「いつでも解雇できるように」と言うことですよね。
この有期雇用自体が、雇用を不安定にしていく。
この究極が「日雇い」であるわけですけど、こういった有期雇用という仕組みを規制していかなければ、不安定雇用はなくならない。
例えば、ドイツでは合理的な理由のない有期雇用を禁止しているんですよね。
育児休業を取る労働者がいるからその代替の労働者を有期雇用で雇います、3ヶ月のプロジェクトがあるから3ヶ月の有期雇用で採る、これらは合理的ですよね。
それ以外はダメだと禁止する。
規制を敷いていくことで不安定雇用をなくしていくというのが今のワーキングプア問題を解消していくための大きな柱になるだろうと思います。
3つ目はやはり「ピンはね」に対する規制ですよね。
ピンはねというのが労働者の労働条件を劣悪化していることが証明されているんです。
労働者派遣というのはあくまで例外的に認められている制度で、これをもう一度「例外」にとどめるべきだと思います。
関根秀一郎(せきねしゅういちろう)プロフィール
派遣ユニオン書記長、グッドウィルユニオン書記長、NPO法人派遣労働ネットワーク事務局次長
国・政府はこの実態をどこまで把握しているのでしょうか疑問です・・・。
また、介護福祉では・・・、
◆ とくダネ!
「コムスンを皆で叩いているだけでは…」
2007/6/11
コムスンの介護福祉事業をめぐる不正問題。今朝は、テレビで"謝罪行脚"を続ける親会社、グッドウィルの折口雅博会長が生出演、現役のコムスン事業所の責任者への電話インタビューも交え特集した。
番組は、「申請時の職員数の水増し」「処分逃れのための廃業届」など、リポーターがこれまで明らかになった不正の実態を分かりやすく報告する形で進められた。が、折口はこれらの不正に対し、あい変わらずウダウダと弁明するだけ。
そこで現役の事業所責任者、Aさんが登場。「今年1月、会社が事業所の責任者を集めた会合の席上、これから100以上の事業所を立ち上げると指示された。現場としては、人員の水増しをしなければ絶対にできないと思った」「監査が入った時も足りない人数、足りない時間については本社から(水増しするよう)指示があった」と証言。
折口の弁明は「指示の発信者が、(事業所)センター長か、支部長か、支社長か、本社の部長かなど、どの階層から発せられていたのか、会社の指示と言えるのかわからない。書類が残っていないというのも、ほんとに整理が杜撰だったのですよ」。
しかし、番組が用意していた別のコムスン社員の証言。「お客から頼まれもしない過剰な介護をし、その分の報酬を受け取ったり、不正な申請をした書類を隠してしまう。これらはすべて会社の命令でやったことです」。
たまりかねたゲストのピーコが「利益を上げようと、多かれ少なかれお尻を叩いたことはあったと思う。『ミスです』で押し込んでしまっているのは納得できない。テレビ局に出て、ただ頭を下げている意味がわからない」と手厳しい指摘。
これにはさすがの折口の小声でボソッと「(証言は)本当だと思います。経営の稚拙さだと思います」。
桜美林大教授の諸星裕は「ただでさえ介護は過酷な仕事です。でも最近の若い人は、本当に熱心に介護福祉に取り組もうとしている。最大手のコムスンはそうした職場をケアする責任がある。それを承知でこのありさま。若い人は介護福祉から離れてしまう」。この怒りは当然だ。
ところが、キャスターの小倉智昭は、せっかく盛り上がった不正究明なのに、「24時間きてくれるのはコムスンだけというのは聞いています。皆で叩いているだけでは改善されません」と折口をかばう発言を。ようやく若い人の間で芽生えてきた介護福祉事業。このまま曖昧にしていては、介護福祉事業の将来に禍根を残すことになりかねない。
これから、どんどん少子高齢化が進む中、消えた年金問題や薬害肝炎問題も重要ですが、国は、今、介護福祉事業に携わる若者が増えるような政策を実行しないと現在でも収入が低い介護従事者は減る一方になってしまうのでは・・・。
現場では、
暴言、暴力、セクハラ 介護労働者「辞めたい」続出
2007/8/23
老人ホーム職員やホームヘルパーが、利用者からの暴言や暴力、セクハラなどに悩まされている――。こんな実態が2007年7月末に発表された厚生労働省所管の財団法人「介護労働安定センター」の調査で明らかになった。介護労働者らが悩んでいるのは、低賃金・長時間労働ばかりではなかった。
女性ヘルパーにヌード写真を見せる利用者「私が聞いているのは、女性ヘルパーに雑誌のヌード写真を見せたり、胸やお尻を触ったりする利用者がいることです。『下着の色は?』『胸が大きいな』『ブス』などと言われることもあります。中には、『何もしないから、ベッドに横になって寝てもらえないか』と迫られたヘルパーもいました」
介護施設職員やヘルパーらで結成している労働組合「日本介護クラフトユニオン」会長の河原四良さんは07年8月21日、J-CASTニュースの取材に対し、こう打ち明けた。
セクハラばかりではない。職員やヘルパーらに暴言を吐いたり、暴力を働いたりするケースも聞くという。介護を受けている高齢者の場合、かなりの比率で認知症にかかっていることもあり、これが問題を余計に難しくしている。
介護労働安定センターが2006年9―10月に行った介護労働実態調査でも、介護サービス利用者のモラル低下が浮き彫りになっている。それによると、過去1年間の仕事の中でセクハラ・暴力などの経験があると答えた介護労働者は、45・8%にも上った。「利用者、家族の誤解、無理解」の20.1%をトップに、「暴言」16.1%、「誹謗・中傷」11.5%、「セクハラ」7.3%、「暴力」6.5%などと続く。
ブログを開設している、ある介護福祉士男性は、この調査結果に対する感想の中で、利用者から盗難のぬれぎぬを着せられた体験を語っている。男性が4年ほど前に特別養護老人ホームで働いていたとき、居室担当として関わっていた利用者Aさんのことだ。
「ある日、Aさんは自分の財布にあったお金が無くなったと訴え、『居室担当の職員さん以外に自分の財布がどこにあるかわかる人はいない』と私が疑われてしまったことがあります。何度も説明し、第三者(このときは施設長に)にも入ってもらい、何とかAさんには納得してもらえたのですが、このときのいざこざは本当に大変でした。(お金は結局別の場所から見つかったのですが・・・)」(「Aさん」「私」は編集部で書き換え)
介護労働安定センターの調査でも、「盗難のぬれぎぬ」は介護労働者の2.9%が挙げている。
前出の河原さんは、「介護現場は密室になることが多く、例えば、男女2人なら高齢者でも変な雰囲気になることがあります。また、病気などで抑圧されている利用者が、優しくしてくれる職員やヘルパーに対してストレスを発散させている面があるようです」と話す。
「お手伝いさんという意識で、地位が低く見られている」これまで、介護労働者は、定着率の悪さが問題視されてきた。介護労働安定センターの調査では、介護労働者の過去1年間の離職率は20.3%で、5人に1人の割合に上っている。このうち、就業から1年未満の人は、実に42.5%を占めた。その背景には、施設職員やヘルパーらの低賃金・長時間労働の実態がある。特に、ヘルパーは、非正社員が53.7%を占め、移動、待機、書類作成時間に賃金を支払っていない事業所がそれぞれ3~4割もあった。
ミクシィの会員間でも、このニュースは話題となっており、ある介護専門職女性は、日記の中で、
「土地によって違うのでしょうが、下に書いてある額…
この仕事で貰ってる人殆どいないと思う。
(15年以上のキャリアの人は貰ってるかもですが)
え?ケアマネ26万?
Kちゃん…そんなに貰ってる?(ここで聞くなって)
とにかく福祉の業界はこんなに良くないです。
時間外手当出ないし。サービス残業が当たり前です」
と打ち明けている。
こうした実態に加え、利用者による暴言、セクハラなどの行為が施設職員、ヘルパーらの介護現場離れに拍車をかけているようだ。介護労働者をサポートする活動をしているNPO法人「全国介護者支援協会」の関係者は、J-CASTニュースの取材に対し、次のように答えた。
「ヘルパーはお手伝いさんという意識が強い利用者がいて、地位が低く見られています。私も利用者の相談に行って、『気に入らない』とオムツを投げられたことがあります。また、利用者の権利意識が強くなっており、サービスが悪いと言って現金を投げてくるケースもありました。これでは、介護労働者は、生活を背負ってなかったり、生きがいがなかったりすると、すぐに辞めてしまいます。だから、まず、介護労働者の社会的な認知度を高めなければいけないでしょうね」。
介護労働者の社会的地位を向上させるには、どうしたら良いのでしょうか・・・。
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